学生の挑戦のそばで、
教員にも見えてくるものがある。
社会人基礎力育成グランプリは、学生が自分たちの取り組みと成長を、学外の場で発表する大会です。2025年度にエントリーした大学の先生方にアンケートを行い、参加の目的、ご苦労されたこと、そして「参加してよかった」と感じたことを伺いました。2026年度の参加を考えている先生方に、先輩教員のリアルな声をお届けします。
WHY WE JOINED
参加を決めた理由は、「学生に挑戦の場を」。
多くの先生方が挙げたのは、学生に学外で挑戦し、学びの成果を発信する機会をつくりたい、という思いでした。授業やゼミの成果を客観的に見てもらう場としても活用されています。
回答者9名中
が「学生に学外で挑戦する機会を提供したかった」と回答
WHAT WE GAINED
参加してよかった、と感じたこと。
いちばん多かったのは「学生の振り返りや自己理解が深まった」。発表に向けて自分たちの活動と成長を言葉にする過程そのものが、学生の学びになっています。さらに半数以上の先生が、教員自身が学生の成長や可能性を再認識できたと答えています。
回答者9名中
が「学生の振り返りや自己理解が深まった」と回答
THE REAL SIDE
もちろん、大変なこともありました。
苦労として多く挙がったのは、発表内容の整理やプレゼン指導、そして学生の活動成果や成長を「言語化」すること。授業・ゼミとの両立やスケジュール調整に苦心された先生もいます。一方で「特に大変だったことはない」という声もありました。
先生方の工夫とアドバイス
まずは大会から学ぶ
苦労を乗り越えるヒントは、他校の取り組みや発表の中にあります。
「まずはグランプリ大会に参加し、他校の取り組み、発表から学ぶこと。そこから見いだすことだと思います。」(参加5回以上の先生)
「何をしたか」より「どう伸びたか」
評価されるのは活動の規模ではなく、社会人基礎力の伸び。発表の軸をそこに置きます。
「活動そのものの評価ではなく、どのように社会人基礎力が伸びたかを示すよう心がけた。」(初参加の先生)
悩みも、学びの一部に
成長の言語化や、メンバー間の温度差。悩みながら向き合う時間が、チームを育てます。
「学生同士のモチベーションの格差をどう乗り越えるかという点に苦心した。」(初参加の先生)
STORIES
先生が見た、学生のリアルな成長。
発表準備から大会当日、そしてその後まで。先生方が実感した学生の変化をご紹介します。
声が小さかった学生が、自信を持って話せるように
初めてのエントリー。発表内容の整理やプレゼン指導、授業との両立など苦労も多かったなかで、学生の話し方は目に見えて変わっていきました。
最初は声が小さかった学生も、アドリブ力もつき、自信を持って話せるようになった。
うまくいかなかった悔しさが、成長のきっかけに
大会は、成功体験だけの場ではありません。準備が足りずに悔しい思いをしたことが、学生にとって大きな学びになりました。
当日までの準備が足らず、プレゼンテーションが正直うまくいかず、学生は相当に悔しい思いをしたようだ。しかし、その悔しさの経験が、その後の学生の成長につながった。準備する大切さ、その準備を怠ると、自分自身が悔しい思いをする。こうした学びの機会があったことに本当に感謝している。
13年間、先輩から後輩へバトンをつなぐ
初挑戦から一貫したテーマで参加を続けてきた大学では、世代を超えた学生同士の絆が生まれています。
13年間、学生がバトンを渡しながら、13年前の先輩と同じ核を持って取り組んでいるため、一度も会ったことがない10年以上歳の離れた卒業生同士でも、共通の話題で語り合っています。全員が苦しみ、就活とも同時期に戦い、夢が叶った者、叶わなかった者もいますが、取り組んだ者同士にしかわからない絆が生まれています。変化や成長を得るための大会かもしれませんが、私にとっては、変わらないものを確認する場でもあります。
教員が「手を出さない」ほど、学生は伸びる
長く参加を続ける先生が実感しているのは、教員の関わり方と学生の成長の関係でした。
教員として何もしなかった、できなかった時の方が良い結果を得られた。
WHY WE COME BACK
何度も参加する先生が、続ける理由。
複数回参加している6名の先生全員が、「学生にとって貴重な挑戦の機会となるため」と回答しました。教員自身の教育実践の改善や、教育活動の目標・節目としての活用も、継続の理由に挙がっています。
複数回参加の先生6名中
複数回参加の先生全員が「学生にとって貴重な挑戦の機会」と回答
MESSAGES
これから参加を考える先生方へ。
参加経験のある先生方から、ひとことメッセージ(全6件)
やるかやらないかで迷っているなら、やってみてはどうでしょうか。
初参加の先生
学生とは付かず離れず、そして急がば回れ。
参加5回以上の先生
他大学のプレゼンの仕方などを学べました。ありがとうございます。
参加3〜4回の先生
苦労を回避する方法はありません。まずは大会に参加し、他校の取り組みや発表から学ぶこと。そこからヒントが見いだせると思います。
参加5回以上の先生
教員にとっても学生にとっても、グランプリへの参加は、日頃の教育や学びの成果がどこまで伝わるのかを確かめる機会になります。大変な面もありますが、自分たちの現在の状況をしっかり見つめ直すことができ、得られる学びは非常に大きいと感じます。
初参加の先生
この大会に向けた取り組みを、100%学生だけでやれるかというと、少なくとも本学はそうではありません。学生が「自分たちで成し遂げた!」と胸を張って言う影に立つ先生方の苦労はいかばかりかと思います。高度な取り組みをしている大学もたくさんありますが、この大会はビジネスコンテストではありません。小さなテーマであっても、学生が成長していく様を自他ともに認め合う時間だと理解しています。
指導教員が注目される大会ではなく、ファシリテーターの域を出ないジレンマもあるかと思います。しかし、教員の姿が見えなければ見えないほど、見えないところでの先生の姿ははっきりと伝わってきます。決して学生だけが成長するのではなく、携わる先生も、学生以上に豊かになる時間を過ごすことができると思います。
参加5回以上の先生
※2025年度 社会人基礎力育成グランプリにエントリーした大学の教員を対象としたアンケート(回答9名)より。コメントは文意を変えない範囲で編集しています。
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